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なにを血迷ったか、一年間世界一周にでることにしました。 飛行機はビジネスクラス。でも、住所不定無職。
さて、もりぞおさんは明日から真冬のヨーロッパに行ってきます。
歴史的大寒波が来ているヨーロッパにわざわざ行くだけでも酔狂なのですが、その中でも、経済破綻が噂されている国々をまわり、人々がいかに苦しんでいるのかを観察するという、悪趣味きわなまりない旅であります。
そこで、その予習のために、この豚どもの現状を簡単に調べてみました。
私が行く予定の順番に書き連ねてみます。
ギリシャ Greece
言わずとしれた、今回の欧州危機の発信源。
かつての世界の中心であったこの国は、いまは観光がおもな外貨収入であり、労働人口の25%が公務員というおそるべき福祉国家になっています。
国民の25%を国家が養っているのですから、当然国家財政は火の車となり、しかも2010年に国が出している財政統計に虚偽記載が見つかってさあ大変。
めでたく、国際が暴落、利率が10%を超えて、審判試合を止めた!
IMF(国際通貨基金)が金を貸し、その代わりに内政干渉で、消費税が19%から23%に上がる、公務員の給料が3割ダウンなどの再建策が強制され、今後さらに引き締まって行く予定です。
で、それに反対するデモで国は大混乱。お金がないって怖いことですね。
イタリア Italy
いわずとしれた、欧州先進国の借金王。
GDPと債務の割合では、日本に次ぐワースト2。
そのうち、表面化するよ。たぶん。
アイルランド Ireland
日本人がイギリスと呼んでいる「グレートブリテンおよび北部アイルランド王国連合」の隣の島です。
この国は、通貨がユーロの国で唯一の英語を公用語とする国であるという語学的なメリットと、法人税率12.5%という政治的なメリットで外資の投資を獲得し、経済は活況となった。
特に、タックスヘイブンとしての金融業の投資が多く、国民一人当たりのGDPは、ルクセンブルクに次ぐ第二位となっていた。
が、2007年のサブプライムショックを機に金融業が落ち込み、失業率が10%超え。それに伴い、アイルランド国内の地価なども暴落し、銀行が破綻寸前に。
ここで、政府が「銀行は全員、オラが助ける!」などと寝言をほざいてしまったために、国家財政から巨額の救済資金が必要となり、国家財政が目前となり、2010年の11月にECBからの資金借り入れが決定。内政干渉によって、強みである法人税がどうなるかが懸念されている。
ポルトガル Portugal
「ギリシャの次」として、真っ先に上げられたのが、ポルトガル。
すでに、消費税が20%から23%に上がったり、失業率が10%超えたりと破綻モードの真っ只中です。
スペイン Spain
何気に、今回の金融危機の大本命。
1998年から2008年までに3倍に上がった住宅価格があっという間に大暴落。マドリッド郊外の空室率は40%を超えているというわけのわからない状態。
2010年現在、失業率が20%近くに達しており、経済破綻は時間の問題。しかし、経済規模から考えて、ここに火がついたら、ギリシャとは比較にならないほどの大爆発となることは確実。
とりあえず、公共投資や子ども手当、公務員給与、介護基金などを削減しているが、焼け石に水感高し。
と、まあ、そろいもそろって、ひどいことになっている国々に、観光には最低のシーズンである真冬に行ってくるわけです。
もう、行く前から気が滅入って来たよ。。
とりあえず、日本のテクノロジーの粋であるヒートテックを着て、風邪ひかないように頑張ります。
さて、真冬のPIIGS編を始める前に、今回の欧州旅行の準備として集めた新しいサイト&グッズをご紹介します。
まずは、飛行機の予約サイト。
Skyscanner
「旅行は予定を立てるときが一番楽しい」などという人が居ますが、もりぞおさんは、予定を立てて予約を取るところが一番嫌いです。
特に、飛行機の予約は、飛行機会社を変えたり、日程を一日変えるだけで、大幅に値段が変わるため、いろんなパターンを試して、探さなくてはならない、大変難易度の高いモノです。
そこでご紹介するのはこの、Skyscanner。
なんと!世界中のあらゆる航空会社の格安運賃を踏まえて、最安のモノを探してくれるサイトです。
これは、格安航空会社がたくさんある欧州や東南アジアでは、無茶苦茶便利なサイトだったりします。
一番スゴイのは、その選択の自由さ。
例えば、この日にバルセロナにいるけど、次にどこいこっかなー などとぼんやり考えたときには、From バルセロナ To 全ての場所 という検索が出来ます。
で、出てくる結果がコレ。
スペイン、フランス、ポルトガルなら1000円以下で!それ以外にも3000円以下で行ける国がわんさかあります。
(ただし、荷物預け代とか、クレジットカード支払手数料とかなんやかやで3000円くらいにはなる)
これ以外にも、「バルセロナからパリまでの料金を向こう一ヶ月分一覧にする」とか「From To、日程を全て決めて検索したあとに、1日ずらせば/空港をずらせば、これだけ安くなるというアドバイスを貰うとか、自由自在。
世界一周中にこれを知っていればどんだけ便利だったことか・・・。
そして、飛行機の次にめんどいのがホテル。
時間があるときは、適当にホテルがあるところに行って足で探せばいいのですが、深夜着とか日程が詰まっているとき、混雑が予想されるときは予約が必須です。
そんなときに非常に大切なのがホテルのロケーション。
空港に近いホテル、駅から近いホテル、空港バスのバス停から近いホテルなどなど、余裕がないときにはロケーション命です。
この辺のニーズに応えてくれるのが、
Booking.com
普通のホテル予約サイトなのですが、地図との連携が見事です。
こんな風に、
すいすい動く(たぶん)Google Map上にホテルをマーキング。
アイコンに触れると、ホテルの特徴と金額がポップアップ。
コレさえあれば、駅近物件探すのが自由自在。また、その場で空室状況も全て表示されているのもグッド。
恐ろしいことに、両サイトとも、日本語を含む世界十数言語で表示出来るのも素晴らしい。
インターネットの世界はドッグイヤー。通常の産業の進化の何倍ものスピードで駆け抜けていくとよく言われますが、この様な予約サイトの進化は本当にスゴイ。
フライトやホテルの値段の値下げも含めて、便利な世の中になったもんです。
さて、今回の旅の最初の国は、ギリシャです。
正確にいうと、コリアンエアーでソウル乗り継ぎパリ行き往復を買って、それから格安航空会社で欧州各地をうろうろしているのですが。
パリから乗り換えたオリンピックエアーという、大変ギリシャらしい飛行機は、雪の影響で二時間ほど遅れ、なんとかたどり着いたアテネは。。。夏でした。
気温20度。あちいよ!アテネ!
アテネの名物は、キン肉マンゼブラチーム副将でおなじみ、パルテノン神殿。
以前、カイロのピラミッドを「最もアクセスしやすい秘境」とご紹介しましたが、パルテノン神殿を中心としたアテネのアクロポリスも負けていません。
アテネ空港からバスを降りた「シンタグマ広場」駅から地下鉄で一駅。駅から徒歩5分でパルテノン神殿が見えて来ます。
もりぞおさんは、シンタグマ広場近辺に宿をとっていたので、早速地下鉄の駅に向かいました。
地下鉄の駅に着くと、こんなものが。。
本日は、毎度おなじみ24時間ストライキです。
地下鉄は営業してないので、ヒトツヨロシク。
さすが、経済破綻国、ギリシャ。早速やってくれました。
と思って、通りに戻ると、デモ隊、キター!!
プラカードとシュプレヒコールは、万国共通です。
面白そうなので、一緒になって歩いてみたのですが、参加している人たちの顔は真剣です。
せっかくなので、プラカード持たせてもらったり、シュプレヒコールあげさせてもらったりしようと思ったのですが、どうやらお呼びでないようです。
いつも、適当なギリシャ人なのですが、やはり生活がかかると真剣になるみたいです。
確かに、通りの裏には大量の警官隊。
バス停のガラスは叩き割られ。
事態はそれなりに深刻です。
なにせ、労働人口の半分くらいが公務員なのに、その公務員を30%くらいクビにしちゃったわけですから、デモを起こす気持ちもわかります。
警備をしている警官隊も、明日は我が身と思っていることでしょう。
旅の途中で仲良くなったスペイン人にデモのことを話してみたら、スペインでもデモやストは大量発生中。飛行機が3日も飛ばないこともあったそうです
「日本ではどうなの?」と聞かれたので、「めったにない」と答えたら、「さすが、ハードワーカー」と言われました。
デモの効能は、今自分たちに起きている問題をたくさんの人に知ってもらえることです。それも、質より人数での勝負であり、メディア的に力のない一般人がとれる唯一の取れる手段かもしれません。
ストの効能は、今自分たちに起きている問題をたくさんの人に迷惑をかける事で、たくさんの人に真剣に考えてもらうことです。人間自分に被害がなければ、人のことなんてどうでも言い訳で、そんな多くの人に、一般労働者がとれる唯一の手段かもしれません。
なんで、日本ではこの様な手段をとらないのでしょうか?
会社に迷惑をかけたら、「会社が潰れてストどころではなくなる」と洗脳されているのでしょうか?
ストを先導する労働組合が、経営層の操り人形だからでしょうか?
デモをやっても、尖閣諸島のデモのように、テレビや新聞などの、国のいいなりメディアが、一切取り上げないからでしょうか?
例えば、海老蔵問題でもちきりの民放テレビ局なんて、多くの人がHDDレコーダーでCM飛ばしてみていることもあり、業績はだだ下がりです。このままじゃヤバイってことを、国民に真剣に考えさせるために、ストライキとかやって、1日くらい全テレビ局で放送やめたらどうでしょう?
国民みんなで、CM飛ばしはやめるべきなのか、真剣に議論するようになるのではないでしょうか?
ならないだろうな。。ってか、テレビ見なくても全然問題ないことに気づく人が多くなって余計経営が傾きそうだ。
こんな私のように、日本には、世の中を変えることを諦ている人が多いから、デモもストもないんだろうな。。と、ちょっとさみしい気持ちになりました。
そんな私が、なんでこんなに長々とデモについて考えたかというと、ギリシャから出国時にまたストが起こり、空港への電車が途中でストップ。タクシーに乗り換えてギリ間に合ったけど、全行程タクシーで行くより金がかかったからです。
真剣に困った時には、真剣に物事を考えさせる。
ギリシャ人は、年中真剣に困っているはずだから、きっと、国のこれからについて真剣に考えているに違いない。
止まっている電車の中でこの事をギリシャ人に話すと、「それが、ギリシャのスタイルだから」と、やっぱり諦めの境地に達してました。
世の中を変えるのは、なかなか難しいようです。
特に、弱い立場の人間が束になっても、大きな力にはなりにくそうです。哀しい話ですが。
あ、結局徒歩で観に行ったパルテノン神殿は格好よかったです!
ギリシャという国から、聖闘士星矢の次に思いつくのが、コバルトブルーに輝くエーゲ海の風景です。
空の青と海の青の間に、白い砂浜と白い建物
太陽がいっぱいの風景を少しでも感じようと、真冬にエーゲ海日帰りなんちゃってクルーズ(89ユーロ)に行ってきました。
朝も早くからクルーズ船に乗ると、
「みなさん、本日はご乗船ありがとうございます」
と、いきなり日本語のアナウンス!
周りを見渡すと、定年後と思われるじいちゃんばあちゃん多数。
どうやら、日本人ツアー観光客の船に乗り合わせたようです。
80人くらいの乗船客のうち、日本人が35人くらい。そして、ギリシャ人と結婚してギリシャ在住、船に乗って22年のおばちゃんが、日本語で案内をしてくれるわけです。(もちろん、英語の案内もあり)
英語できない日本のじいちゃんばあちゃんのために、至れり尽くせりのこの船。こういうのに乗り合わせる度に、日本が経済大国でよかった!本当にすばらしい!と、思います。
定年後と思われるじいちゃんばあちゃんたち。
彼らは、仕事や子育てで人生を目一杯楽しんできた(苦しんできた)わけです。
家庭や仕事に一直線で、めんどくさい語学の勉強などせずに生きてきたのでしょう。
一つの道だけを極めてきた人が、特に歳をとった人が、スキルが必要なアクティビティに参加するのは大変難しいです。
例えば彼らがこれからスキューバダイビングやロッククライミングを始めるのは不可能に近いでしょう。
しかし、外国語で会話をし、現地でいろいろやっかいごとに対処しなくてはならない、非常に難易度が高い遊びである海外旅行には簡単に参加できるんです。経済力ゆえに。
日本は、元世界二位の経済大国でした。
日本円を大量に持った日本人は、世界中のあらゆる国に遊びにいくことが出来ます。(世界のおおかたどこの国にも入国出来るパスポートもあるし)
飛行機で36時間くらいかかる南米ペルーのマチュピチュやナスカの地上絵にも日本語の看板がかかっています。ここ、ギリシャのエーゲ海の船の上でもキーボードを演奏する人が、上を向いて歩こうを奏でています。
私は、幸せな国とは、人生における選択肢が多い国だと思います。
人間は、自分のやりたいことをやって生きるのが本望であり、家族を育てることに一生をかけるのも、脇目も振らず仕事に没頭して生きるのも、興味の赴くままにいろんなことに手を出すのも、本人が望んでやっているのであれば、すばらしい人生だと思うわけです。
自分の好きな事をやりたいだけやれる環境。
私が国に求めるのは、この基盤を作ることです。
その為には、国民総生産(GDP)の値に代表されるような経済力ゆえに非常に大切だと思っています。
国民総生産(GDP)の成長を放棄し、国民総幸福度(GHP)の最大化を目指すブータンという国があります。
インターネットもほとんどつながっていないどころか、電気もあまり通っていない国ですが、先祖代々伝わってきた土地を耕し、自給自足をする限り、のどかで平和な暮らしが保証されるような国です。
しかし、この国には、畑を耕し、家族を育てる幸せしか選択肢がないとも言えます。
新しい事業を起こして、人々に新しいライフスタイルを提案するとか、誰も聞いたことのない新しい音楽を創り出し世界に発信するとか、そんな幸せを求めるのは非常に難しいです。
きっと、外国に行って、みたこともない文化や風景を触れることも難しいでしょう。
庶民は外貨を稼ぐ手段がないし、そもそも飛行機数えるほどしかないから、予約が取れないし。
その点日本は、おおかたあらゆる幸せを求める選択肢があります。
そして、さらにすごいことに、一つの道だけに没頭している人ですら、本来難易度の高い幸せを手軽に感じることも出来るわけです。
例えば、若い頃、家族や仕事に没頭してても、定年後、自由に海外旅行ができるということです。
そんなすばらしい選択肢をもたらしてくれるのはGDPつまり経済力です。
たくさんの日本語の話す人がいて、その人たちはたくさんのお金を使ってくれる。それが分かれば、現地の人は必死で日本語を勉強し、日本人が過ごしやすい環境を作ってくれるわけです。
実際、GDP世界最強のアメリカや前世界最強のUKの人たちが話す言語・英語は、割増料金を払う事もなく、向こうが勝手に勉強して、話してくれます。
世界中のあらゆる国の人々が、アメリカ人が過ごしやすい環境を作ってくれるわけです。
日本が経済大国である限り、きっとこれからも現地語を勉強しなくても、世界中のあらゆる国に行って、その国の観光名所を、文化を、食事を楽しむことが出来るんでしょう。
しかし、ギリシャを歩いていても、そんな日本を脅かす存在に気づきます。
街のあちこちにあるレストランとかの案内のボード。
このボードの、「世界各国のガイドブックでオススメ!」のコーナーで上段に描かれているのは、地球の歩き方中国語版です。
本家である、日本語版は、下段の隅っこに。
ちなみに、チラシも、アジアの言語では唯一の中国語版が。
「中国と日本では、一人当たりのGDPが桁違いです。だから、GDPの総額が追い抜かれても別にどってことはない。」その考え方はある意味正しいです。
しかし、外国からみて、どの国の人と商売すべきか考える基準は、その国の規模。つまり国民総生産(GDP)です。
国民一人当たりのGDPが世界最大のルクセンブルクの人向けに商売をするよりも、GDPの総額が大きいアメリカ人や日本人、中国人向けに商売をした方が儲かるのです。
そして、今回みた限り、ギリシャの観光業に関しては、今は英語をおよび近隣のヨーロッパ言語の次に日本語を重要視していますが、その座を着々と中国語が追いかけてきているわけです。
クルーズ船では、中国人5、6人の団体にガイドがついて、日本語ガイドのおばちゃんの話を中国語に訳していましたが、この構図はいずれ逆転することになるでしょう。
そして、これが20年30年後になり、この調子で日本の経済がどんどん縮小していくと、海外で日本語での案内がほとんどなくなり、外国語を学ばないで海外旅行に出かけるのが、非常に難しくなるかもしれません。
日本語だけで海外を観光するという選択肢が失われるという、大変幸福度の下がる哀しい事態ですが、それが経済衰退の影響の一つなわけです。
経済成長だけが幸せをつくるのではない。それ以外にも大切なことは沢山あるのだ。という意見は一面正しいです。
しかし、世の中はもうちょっと複雑に出来ていて、経済力ゆえにが「それ以外の大切なこと」に大きく影響し、幸せの選択肢を大きく削ることもあるわけです。
さて、日本経済をこれからどうしていくべきでしょうか?
今回、ギリシャで最も観たかった場所がメテオラです。
メテオラとは、ギリシャ正教の聖地で、数々の修道院が建っている場所です。
その建っている場所が変態的なことで有名な場所でもあります。
調べてみると、アテネから電車で4時間ほど行ったカランバカという街から、バス+膨大な量の徒歩もしくは、アテネからツアーバスで行くのが普通のようです。
膨大な徒歩だけは避けたい為、アテネ市内でツアーを探すのですが、どの旅行会社に行っても、「冬は毎週水曜日のみ出発」 そして、今日は水曜日。
どうやら、冬のギリシャは観光も全くやる気がない上に、私の運勢もこの上なくついていないようです。
仕方がないので、電車でGO!
地球の歩き方をみると、バイクのレンタルもあるって書いてあるのでなんとかなるでしょう。
カランバカの街に着くと、街の向こうに巨大な断崖絶壁が見えます。
どうしてまあ、こんなふざけた断崖絶壁が出来るのか。自然の脅威とは恐ろしいものなわけですが、こんなところの上に教会をつくる人間もどうかしてます。
到着当日は、バイクを借りるのもなんなので、トレッキングルートを歩いて右半分の教会を見ることにしました。
町外れの登山口から山道に入るのですが、日頃の運動不足がたたり、身体ボロボロ。2年前のアルゼンチンでは、往復7時間くらいノンストップで歩いてたんだけどなあ。。
さらに、日が沈むに従って気温はどんどん下がっていき、次第に粉雪が舞い始めると、なんでこんなひどい目に遭わなくてはならないのかと悲しくなってきます。しかも、運動により発汗し、ユニクロのヒートテックが発熱するため、身体だけは暑いし。
そんな悲しい状況を30分ほど耐えて、たどり着いたのが、ここ!
本当に山のてっぺんに教会があります。
そして、その岩山に入るための石の階段が。
まるで、ドラゴンクエストの世界。
ちなみに、この階段は19世紀に作られたそうで、それまでは下界との人や物の移動は縄で吊り下げられた樽だけだったそうな。
30分くらいの山歩きで弱音を吐いているもりぞおさんとは、桁違いの絶望的状況。宗教、コワ!
そして、翌日。
見事な晴天!そして、自由気ままなバイクの旅!
僕らの、自由を!
というわけで、駄文はこの辺にして、残りは、不思議で美しすぎる風景をお楽しみください。
この、超原始的なエレベーターが、物資を運ぶ命綱だったらしい。今は階段で登れるけど。
大きい修道院は、こんな感じの集合住宅になってる
この、断崖絶壁っぷりは、崖マニアにはたまらない。(私は崖マニアではない)
冷静に考えると、修道院がなかったとしてもとんでもない絶景だ。
そして、この空の色を観ていると、ギリシャの国旗の色の理由がよくわかる。
そんな、ギリシャの聖地でした。
ギリシャに一週間近くいて、ギリシャ人に対してはいい思い出しかありません。
もちろん、街中を歩いていて、明らかにスリである奴が近づいて来た事は複数回あったし、アテネの博物館の前で、自称イタリア人の明らかに怪しいおっさんに声をかけられて、一緒に飲みに行こうと誘われたりしたことはありました。
また、鉄道ストの影響で、生まれて初めて飛行機も乗り逃しそうにもなりました。
どの国でも普通に起こる困った事は、やっぱりしっかり起こったわけですが、そんな困ったギリシャ人以外の印象が非常に強いのです。
今回、欧州を6ヶ国回るのですが、恐ろしい事に全部の国で公用語が違います。とはいえ、フランス語、イタリア語、英語、ポルトガル語、スペイン語は、ほぼ全て英語と同じアルファベットであり、私の中のそこそこの英語とちょびっとのスペイン語の知識があればなんとかなる言語です。
しかし、ギリシャ語だけは、文字から違う。
数学とかで使うあのギリシャ文字が本当に使われているわけで、なんか、町が幾何学的。
例えば、ギリシャ語で「P」は英語でいう所の「R」であり、英語でいうところの「P」は「π」と書くわけです。
もう、看板が全然読めないために人に聞く回数が多くなるわけですが、この時の答え方が非常にいい感じなのです。
多くのギリシャ人が英語ダメダメなのですが、必死で英語っぽいことを話してみたり、周りにいる英語が喋れそうな人を呼んできて通訳を交えて教えてくれたり。
ブラジルとかキューバで感じた人懐っこさとお節介さを、こんなところで感じるわけです。
宿のオヤジも非常に優しく、特に、メテオラの麓の村、カランバカで泊まった宿のおっさんは最高でした。
宿に着くなり、喉が乾いただろうと2リットルの水を持って来てくれ、バイクでメテオラ行くと言ったら、手書きの地図で一生懸命道を説明してくれ、帰ってきてから「やばい!バイク屋で手袋落とした!」と言ったら、わざわざ車でバイク屋まで取りに行ってくるのです。
また、そのメテオラでは、途中の展望台でギリシャ人の団体旅行の人たちと仲良くなり、
「一緒に昼飯食べていけよ!」ってことで、昼飯をご馳走になってきました。
氷のように冷えたミートパイや、なんかのテロではないかと思うくらい甘い餅の様な菓子は、あまり食えた物ではないのですが、いろんな人たちが次から次へといろんな物をくれるので、全部食うまで翌日の朝までかかりました。
こんな、ギリシャ人。
なんというか、全体的に田舎のおっちゃん、おばちゃんです。
数百年前に世界の中心だったギリシャは、21世紀の今となってはすっかりヨーロッパでも片田舎。
首都のアテネの街だって、ロンドンやパリはもちろん、リスボンやダブリンと比べても、はるかに日本の地方都市感が溢れています。
そんな、田舎のおっちゃんたちに経済の話を聞いても、明確な答えは返ってきません。
「それが、ギリシャのスタイルだからねー」
「仕事がない人が増えて、困ってるんだよー。給料も減るしねー」
「税金もちょっとあがって、その分ちょっと物価もあがってるねー」
「何が悪い」とか「こうすべきだ」といったことは一切聞けず、現状のぼんやりとした愚痴ばかり。その愚痴も、あきらめからなのか、何も考えていないのか、ものすごく軽い。
本当にこの国は、何度も何度もストやデモが起こるほど困窮してるのか?
まあ、本当に困っている人は、こんな風に観光客の相手をしてる暇などないだろうし、何か難しい考えがあっても、英語で観光客に説明するのが面倒なのかもしれない。
でも、私の一番感じたのは、「田舎のおっちゃんに、そんな事考えさせない方がいいよね」ってことです。
資本主義社会で生きているのに、経済について無知なことは自殺行為だと思います。それはまるで、Tシャツと短パンで冬のヨーロッパを旅行する様に。
風邪をひこうと凍死しようと自己責任。勝手にしろよとほっとくと思います。
同様に、ニュースを読んで感じていたギリシャ人は、明らかに働いてないし、明らかに国家公務員多すぎだし、まあ、破綻してしかるべきだなと思える状況でした。
でも、実際にギリシャの街を歩きながらギリシャ人と話をしてると、非常に同情的になってしまいます。
こんな素朴な人たちを金融のゲームに巻き込んじゃいかんよね。。とか、こんなよくわかってない人たちを、とりあえず、公務員として雇うことで現状の失業率を下げて支持率を上げるようなことをしたら、本気で自分たちは大丈夫だと思っちゃうよ。。とか。
時計の針は簡単に戻せるものではなく、この豊かな暮らしは、金融システムを含めた現代文明および資本主義のルールがなければ成立しないものです。
でも、目の前の素朴な人たちをみるにつけ、「なんとかこういう人たちが、何も考えないで今まで通り生きて行ける社会にならないもんかねえ」なんてことをも考えてしまいます。
もちろん、それは、野生のサバンナを動物園のように作り変えるようなことであり、かつ、私が思う「幸せ」の指標である、人生の自由度が大きく下がるような社会なんですけど。
で、まあ、そんな理想的な社会が簡単にやってくるわけがなく、ギリシャはもうしばらく経済状況が悪化して、多くのギリシャ人にとって悲しいことが起こり続けるのでしょう。
そんななかで、ギリシャ人のこの素朴さも、事態がより一層深刻化する中で、少しずつ変わって行くんでしょう。
そして、過ぎてゆく日々を踏みしめて僕らは行くのだ。
もりぞおさんの今回の旅は、往復の大韓航空機 成田ーソウルーパリのみを事前にとってあり、それ以外は格安航空会社を検索して、安い便があるところに行く事にしました。
ヨーロッパは、大量の格安航空会社が出来たり倒産したりしまくっており、航空券が異常に安いのです。
ちなみに、今回の旅では5回使う事になったのですが、100ユーロ(11000円)を超えたのは一回だけです。
電車が乗り放題になる、ユーレイルパスとか、1日5000円とかするので、2日に一度長距離移動しないと元が取れないということになってしまいます。
以前ご紹介した、Sky Scannerで検索すると、やはり一番でてくるのは、格安航空会社の代表格、アイルランドの航空会社、ライアンエアーです。
この航空会社のWebページをみると、ダブリンーロンドンが6ユーロ(660円)など、凄まじい数字が出ています。
そもそもこの航空会社の安さの秘密のひとつに、その都市の代表的な空港(東京でいうところの成田とか羽田)ではなく、マニアックな、ときにとんでもないところにある空港(東京でいうところの茨城空港)に就航していることがあります。
フランクフルトの空港なんて、中心から2時間以上離れてて、「そこはフランクフルトと呼んではいかん」と、公正取引委員会的なものに怒られたくらいです。
そんなギリギリのことをやっている航空会社なので、料金の方もやはりえげつないことがあります。
例えば、私が今適当に選んだ21.99ユーロのダブリン-ローマ便を買う事を例にみてみましょう。
近距離なので、燃油サーチャージはとられませんが、まず、いきなり「オンラインチェックイン料金」を6ユーロ取られます。これは、飛行機の搭乗券(普通の会社の場合チェックインカウンターでもらう厚紙)を自分で印刷することです。
ちなみに、オンラインチェックインをしないと40ユーロの罰金をとられます。
その次に、荷物を預けるのにも料金がかかります。
15kgまで15ユーロ。20kgまで25ユーロ。
この航空券は21.99ユーロなので、人間よりも20kgまでの荷物の方が高いことになります。
ちなみに、この重さは搭乗時にかなり厳密に計られ、オーバーすると容赦なく追加料金がかかります。
さらに、手荷物として持ち込む荷物はサイズが定められており重さは10kgまで。これを超過したら30ユーロの罰金だからね。と、丁寧に忠告してくれます。
そして、搭乗の前日をメールでお知らせするサービス、1ユーロ。
セコい!
座席は基本自由席なのですが、優先して選ぶのには4ユーロかかります。
国籍を選ぶ欄があるのですが、うっかりここに自分の国籍を入れると、勝手に約15ユーロの保険に入ってくれます。正解は「I do not need insurance」を選ぶことです。
とどめに、料金の支払いをクレジットカードでやると5ユーロの手数料がかかります。デビットカードとか、ライアンエアービザカードとかなら無料かもしれませんが、持ってないのでよくわかりません。
で、保険にはいれとか車を借りろとかの強制ポップアップがでてきて、やっと購入ができるようになります。
21.99ユーロとかいてあった料金は、15kgの荷物を一個預けると、47.99ユーロ(約5000円)となるわけです。
ああ、えげつない。
しかし、これによって欧州を格安で旅できるのは本当に便利です。
日本で5000円だしても、新幹線で富士山止まりです。
その値段で、アイルランドからイタリアまで行けるのですから、きちんと内容に納得した人にとっては素晴らしいサービスです。
こういう航空会社に乗っていると、「飛行機は特別な乗り物ではなくなったんだなあ」と感じます。
昔は、航空会社とは花形の会社であり、人生ゲームのほぼ最強の職業はパイロットでした。
飛行機内でサービスをするスチュワーデスは、女子の憧れの職業であり、合コンの最強チームでもありました。
飛行機の乗客も特別であり、座っているだけで飲み物や食べ物を持ってきてくれるのは勿論ですが、乗り遅れそうな客がいたとき、係員が空港を走り回って客を探してくれる乗り物なんて飛行機以外考えられません。
特権階級の一部の裕福層だけが乗れる特別な乗り物。
実際、発展途上国では、飛行機なんて乗ったことがない人が大半です。
しかし、技術革新と業務効率化はこの特別な乗り物を、もっと多くの人が乗れる、大衆的な乗り物にしてくれました。
ガタゴトと、何時間も電車に揺られて故郷に帰っていた貧しい労働者の人が、飛行機で3時間で帰れるようになったわけです。
同時に、このことは、パイロットやスチュワーデス、航空会社社員の給料の低下を招き、多くの人を失業させることにもなっています。
技術が革新し、業務が効率化すると、貧しい人にも便利さが行き渡り、富める人の収入と地位が低下する。
まさに、私がいつも言っている、「世界の格差が縮まると、貧しい国の人が豊かになり、(日本のような)豊かな国の人が貧しくなる」の一例がこの航空会社に現れているわけです。
JALが倒産して、社員たちがひどい目にあっているところを見て、「あの高給取り達め、ざまーみろ」
と、胸のすく思いをしている人は多いかもしれません。
でも、世界の多くの人たちからみた日本人は、JALの社員の様な「特権階級の一部の裕福な人たち」なのです。
100円ショップのグッズ満載の荷物を乗せて、格安航空会社であちこちを旅する私は、この様な旅のスタイルは、日本人として自爆をしているんじゃないかという気がしてきました。
でも、時の流れには逆らいようがなく、世界の経済はなるようになっていくわけです。
あのしょうもない年賀状だけで、新年の更新とするのもなんなので、ヨーロッパ破綻国めぐりの写真を整理してWebアルバムにアップロードしました。
もりぞお写真館vol.2 ヨーロッパ破綻国めぐり&オーストラリア編
今回の注目ポイントは、位置情報を記録できるカメラで撮影したため、写真ごとに撮影地を地図上に表示できることです。
こんな感じに。
地図上で見えるからなんだという気もしなくはないですが、個人的にはいろんな所に行ったなあ・・・と感慨深くなったりもします。
写真を見る限り、中南米と比べてダイナミックさに欠ける欧州ですが、面白いことはたくさんありました。
これから当分の間、週二回ペース(木曜、日曜の夜更新)、各国のいろんなことを、日本の現状や未来と比べたり比べなかったりしながら書いていきますので、引き続きよろしく。
ちなみに、世界一周時のWebアルバムはコチラです。
もりぞお写真館vol.1 世界一周編
さて、欧州掲載破綻国巡り。PIIGSのG(ギリシャ)の次はI(イタリア)です。
前回紹介したライアンエアーで颯爽と・・と、思ったのですが、履歴を見たら、easy jetで飛んでました。
相変わらず記憶が曖昧すぎます。
また、当初の予定では駅前で不味いカルボナーラを食った思い出しかないミラノに行く予定だったのですが、ローマ行きの方が安い航空券があったのでローマへ。
そして、ローマは既に3回くらい観光したことがある気がするので(よく覚えていない)、電車でナポリまで行くことにしました。
ちなみに、ローマからナポリまでは、高速鉄道で約40ユーロ・1時間、普通列車で約20ユーロ・2時間です。
首都に近い一地方都市のような地理環境にあるナポリですが、その存在感はかなりのモノです。
私は、2006年のサッカーワールドカップ、イタリア優勝時にベネチアで試合を観てました。静かな地方都市のベネチアでは、観光客も多いし、あまり大騒ぎはしてませんでしたが、テレビの中のイタリアの各都市は盛り上がっていました。
画面は4分割され、ひとつは決勝戦会場、そして残りの3つは、ローマ、ミラノ、ナポリ。
歓喜するローマの人々、大歓喜するミラノの人々の様子は大変微笑ましいモノでした。
しかし、ミラノは・・・発煙筒の煙で画面が見えない。。。時々、何かの爆発を伝えるフラッシュだけが目に入ります。
この時から、「ナポリは、半端じゃない」と感じていたわけです。
実際、あまりに治安が悪いので、日本の観光ツアーはバスから降りないという噂を聞いたことがあります。
ミラノの駅を降りると、駅前広場には、イタリアには珍しい黒人が、路上でなにやら怪しいモノを売っています。
すでに、雰囲気は東南アジアか中近東。
「チープ、プライス!チープ、プライス!」
とかいって、iPhoneとiPadを見せてくるおっさんもいます。
明らかにAppleの正規販売店ではないので、かなりの高確率で盗品だと思われます。
ちなみに、適当なホテルに入ったら1泊25ユーロと言うので泊まってみたら、チェックアウトする時、35ユーロ請求されました。
「てめえ、一昨日25(トゥエンティファイブ)ユーロって言ったじゃねーか!」って戦闘モードに入ると、「35€」と書かれたプライスリストを指さして、「トゥエンティファイブユーロ!」と主張してくる。
どうやら、奴は純粋に35をトゥエンティファイブと読んでいるようです。
英語が出来ないにもほどがあるだろ!駅前のホテルの受付のくせに!
そんなわけで、今回の旅で唯一金でもめたのがナポリだった点からも、そのカオスっぷりが分かると思います。
まあ、国じゅうまるごとカオスのインドとか、大陸まるごとカオスの南米とか行ってるのでどってことないですが。
翌朝。再度駅前広場に出ると、また素敵なことになっていました。
デモ、キター!!!
平日の昼間だというのに、地下鉄の駅からわらわらと若者たちが湧いてきます。
みんな、楽しそうに横断幕とか笛とか持って、なにかいろいろわめいています。
しばらく観てると、デモ行進が始まりました。
笛、ラッパ、発煙筒、何だかよく分からない爆発。
ワールドカップ優勝の、歓喜の街ナポリとおなじ光景が、リアルに目の前で展開されています!
この楽しそうなデモは、ギリシャで観た、ガチのデモとは正反対。(ちなみに、このページにギリシャデモの動画を追加しました。)
若さをもてあました若者どもの、ストレスの昇華のひとつ。
日本でいうところの、季節の風物詩、成人式で若者大暴れ!の様でした。
日本とイタリアが一番よく似ていることは、政権が政権の体をなしていないくらい、政治がズタボロなことです。
それ故に、財政赤字の増加を誰も止められず、政府債務のGDP比率のワンツーフィニッシュと相成っているわけです。
政府の(そして国民全体の)バカさ加減は、当然若者にも感染するわけで、イタリアでは公道のデモ行進で、日本では公式行事の成人式で噴出するというのが面白い。
どっちも何の効果もなさそうですが、少なくとも何かを要求しているという点では、イタリアの若者の方がましですかねえ。。
日本の成人式の若者も、1年後就職活動で酷い目に会うのは目に見えているので、今のうちから何か「若者の主張」を作ってから、それを訴えるために暴れるといいと思いますよ。
背中に、「記者クラブは、各種会見をオープンにしろ!」とか「官房機密費の用途を公開せよ!」とかのプラカードを持って成人式で暴れるとかね。
たぶん、テレビや新聞では報道されないか、プラカードにモザイクがかかるかするけど、YouTubeやニコニコ動画に映像が流出して、2ちゃんねる界隈で有名人になれると思います。
ま、そんな感じで、こういうダメな国を見ると、おなじくらいダメな国で生活している自分に対して、ちょっと安心してしまうわけです。
いいのか悪いのかはともかく、おもしろかったー。
ナポリ最大の観光地は、青の洞窟があるカプリ島という島です。
ナポリ駅からバスで10分くらい行ったところにある船で45分。
着いたのは、こんな感じのキレイな島です。
この島の沿岸にある、真っ青な光に包まれる洞窟が青の洞窟なわけですが、弱点が一つあります。
入り口が極端に狭いため、少しでも並が荒れていると洞窟に入れないため、冬場に行けるのは3日に1度程度といわれているのです。
ちなみに、関係ありませんがもりぞおさんは、ブラジルで青の洞窟と呼ばれているところに行ってます。
地下洞窟の中にある池は、本当にブルーレットを突っ込んだんじゃないかってくらい真っ青で、これが海一面真っ青だとどんなことになるのかと、大変興味があったわけです。
さて、島について早速船着き場のあたりで青の洞窟への行き方を聞いてみると。
「今日は、風が強いから青の洞窟はムリ」というご無体な返事が。
しかし、風の日用の観光地、白の洞窟もあるということも調査済みだよ。
「それもムリ。今日は、波が強すぎて船が出せないんだ。」
オワタ・・・。ケーブルカーで登った先には、軽井沢のようなキレイな避暑地が。
まあ、キレイなんだけどさあ・・別にこんなモノが観たいわけでは・・。
飯を食いながら、なんとなく地球の歩き方 ヨーロッパ編を眺めていると、カプリ島からはナポリ以外へも船が出ていることが判明。
そして、その出航先のひとつに、「アマルフィ」の名前を見つけました。
「アマルフィ」とは、もりぞおさんが2010年で観た100本以上の中で、最バカ賞をあげたいほどの超迷作。
アマルフィ 女神の報酬 日本映画の駄目なところをギッチリ詰めてみました。イタリアで
踊る大捜査線3ばりに、織田裕二が迷走している間に事件が解決されていく様や、
ただの専業主婦の松嶋菜々子が、鉄砲一丁でイタリア最大のセキュリティ会社を制圧する様や、
タイトルが「アマルフィ 女神の報酬」なのに、アマルフィが舞台になる必然性が全くなかったり(しかも、ローマから結構遠いじゃん!)
まあ、酷い脚本のお手本みたいな映画なわけです。(ちなみに、あまりにも脚本が酷いので、プロデューサーと作家が逃げて、誰が脚本を書いたか分からなくなっています)
ただし、映画はうんこでも、このアマルフィ海岸というのは、世界で一番美しい海岸ということで、大前研一のお勧めの場所でもあり、一度行ってみたかったのです。
こういう時に便利なのがiPhoneとソフトバンクの海外ローミング定額プラン。
ソフトバンクでiPhoneを使用している場合、そのまま海外でも使うことが出来ます。
これは、海外の別の会社(イタリアではボーダフォンイタリアなど)の電波を拾うことができるからです。
しかし、この接続料は非常に高く、通話1分75円、着信1分110円、メール1通100円とか、大変なことになっています。
しかし、孫さんが「やりましょう」の一言で始めた海外パケットし放題により、iPhoneでボーダフォンイタリアにつなぐ場合、どんだけパケット通信を使っても(2011年6月30日まで)一日1480円しか請求されなくなりました。
と、いうわけで、普通の場所だとマクドナルドとかその辺のレストランに無料の無線LANの電波が飛んでいるイタリアですが、カプリ島では見つからないので普通につないでみることにします。
設定→キャリア で指定のキャリア(イタリアの場合Vodafone Omnitel)を選ぶだけでおっけー。(間違ったのを選ぶとパケ死しますが)
めちゃ快適です。
ちゅか、イタリアのボーダフォンは、日本のソフトバンクよりも繋がるので、日本よりも快適です。船乗っている間も一回も途切れなかったし。
で、各種HPを調べると、日本語で丁寧に行き方を解説してくれているサイトもあるし、イタリアのバス会社のサイトを見ればバスの時刻表も出ているしと、便利この上ないわけです。
世界中どこにいてもネットに繋がり、必要な情報を手に入れることが出来る感覚。
どこでもドアやタケコプターは発明されてないけれど、人類は別の意味で、世界を自由に旅できる環境を作る事が出来ているみたいです。
さて、アマルフィの一番の見所は、アマルフィの町へ行くまでの道のり。
アマルフィ海岸と呼ばれる美しい断崖絶壁の道です。
ここをソレントという町からバスで行くわけですが、サイトにはご丁寧に右側に座った方が綺麗というアドバイスまで載っています。
ああ、確かに綺麗だ・・・。
ただ、ジェットコースターみたいで恐い的な感想があったけど、インドの山奥でガチで落下しているバスが見えるような道を18時間くらい走った経験からすると、全然コワクナイです。ガードレールとかあるし。
こういう
崖にへばりつくようにして建っているホテルは、素晴らしい見晴らしで、金持ちがバカンスに来てるんだろうなあ…と思ったら、日本人観光客が団体でぞろぞろでてきて笑いました。
そして、アマルフィの町。
崖の中にちょこっと開かれた小さな田舎町。
その中心にある聖堂の前の広場に織田裕二がいて、ものすごくしょぼい犯人取り逃し劇を演じてたなあ・・などと思いながら、映画の場面をほとんど思い出せないし、書いている今ももう一回見返す気力が一ミクロンもないことから、
海外旅行に行くなら、iPhoneがあると超便利
ということだけ書き残して、アマルフィ編にかえさせて頂きます。
ご清聴ありがとうございました。